ウルトラモンスター超全集 ウルトラマンダイナ 凱風編



1998年発売。

定価:2万5000円。

ハイパーホビーDASH!!2の誌上限定で、力闘編とのセットで販売されました。

力闘編と同じく、パッケージは単なる段ボール箱。



第32〜51話に登場した、ほぼすべての怪獣・宇宙人を立体化。

これによって、超全集ダイナシリーズは堂々の完結を果たしました。


ラインナップは以下。

ウルトラマンダイナ(ミラクルタイプ)
モンスターマシン サタンラブモス
生物兵器メノーファ
宇宙スパーク大怪獣バゾブ
超宇宙合成獣ジオモス
超宇宙合成獣ネオジオモス
ゴミ塊物ユメノカタマリ
バロック怪獣ブンダー
超異形進化怪獣ゾンボーグ
宇宙魔樹ゴッドジャギラ
宇宙大昆虫ダイオリウス
悪質宇宙人レギュラン星人ヅウォーカァ将軍
マウンテンガリバー5号
超古代怪獣ゴルザU
灼熱怪獣グライキス
宇宙超獣トロンガー
恐怖エネルギー魔体モルヴァイア
液体宇宙人ファビラス星人(A)
液体宇宙人ファビラス星人(B)
魔石超人デビルファビラス
変心宇宙人チャダビン星人
地底怪獣モゲドン
人造ウルトラマン テラノイド
超合成獣人ゼルガノイド
超合成獣ネオガイガレード

計25体。



力闘編に続き、ほぼハズレ無しのハイクオリティな仕上がり。

以下、一体ずつ紹介していきます。







ウルトラマンダイナ(ミラクルタイプ)



本シリーズで「凱風」の名を得たミラクルタイプ。

レボリウムウェーブのポーズで立体化されました。

相変わらずの小サイズですが、造形クオリティはティガの頃より格段に上がっています。

超全集では珍しく、手放しで満足できるウルトラマン。




モンスターマシン サタンラブモス



様々な兵器を取り込み、ラブモスが凶暴化した姿。

造形も良いし、メカ表面のモールドが非常に細かく彫られております。

バーニア部など細部での丁寧な塗装も好印象。

サイズはかなり大きめ。




生物兵器 メノーファ



ただの脳みそなのに、やたらと出来が良い。

造形といい塗装といい、とにかく出来が良い。

なお、ナルチス星人はほぼ役者の顔が出ているためか立体化されませんでした。




宇宙スパーク大怪獣 バゾブ



文句なしの完成度。

造形においては非の打ち所が見つかりません。

彩色は金色に統一されてシャドー吹きなどはありませんが、顔のシワや胸の肉感など、造形でとことん再現されています。




超宇宙合成獣 ジオモス



特徴的なシルエットを持つジオモス。

造形に関しては言うことなしです。

色数こそ少ないですが、ほぼ完璧に再現しています。

メタリックブルーの塗り分けが非常に丁寧で、小さな目も塗られています。




超宇宙合成獣 ネオジオモス



一気にシルエットの印象が変わったネオジオモス。

近代的なデザインを取り入れつつも正統派のフォルムを持つ怪獣。

塗装も造形も素晴らしいですが、欲を言えば、スフィアの取り付いた胸をもう少し黄色くしてくれたらよかったかも。





超全集シリーズ最長ではないかと思われる尻尾。

背中から尻尾のシワに至るまで、造形レベルはとても高いです。




ゴミ塊物 ユメノカタマリ



ゴミを固めた怪獣。形状はどこかカエルっぽいですね。

シルバーにコケのような緑を数箇所に吹いただけの、かなり簡略化された塗装ですが、雰囲気はしっかり出ています。




バロック怪獣 ブンダー



薄灰色のみの塗装。

造形は素晴らしいのですが、ちょっと味気なさ過ぎるのがやや残念です。

窪みの部分にちょっとシャドー塗装したらかなり質感が出るかも?




超異形進化怪獣 ゾンボーグ



胸や背中の造形はとても細かくゴツゴツ感も出ているのですが、いまいち顔が大きくて情けない。

色もやや明るすぎる気がします。




宇宙魔樹 ゴッドジャギラ



エッジのゆるい造形ですが、再現度はかなり高め。

胸の花も細かい作りです。




宇宙大昆虫 ダイオリウス



造形・塗装ともにほぼ文句なし。

顔や背面の体毛の表現には感激です。

劇中では宇宙空間に現れ、垂直になってダイナを捕まえたりしていましたが、フィギュアでは都合上こう飾るしかありません。




悪質宇宙人 レギュラン星人ヅウォーカァ将軍



ティガ超全集でのレギュランも良い出来でしたが、今回さらに高い完成度に。

鋭い造形に丁寧な塗り分けがされており、見とれてしまいます。

どマイナーなキャラなのに、この力の入れようは一体。




マウンテンガリバー5号



正式名称:MG-005-RXマウンテンガリバー5号 へ-0001号

スペシウム砲を携えた状態での立体化となっています。

小さな顔は丁寧な造形で再現され、全身のモールドも細かく彫り込まれています。




超古代怪獣 ゴルザU



やや細長い首、白い目など、ゴルザUの特徴を徹底再現。

尻尾にも表情があっていいですね。




灼熱怪獣 グライキス



これまたダイナの中で非常に印象の薄い怪獣なのですが、めちゃくちゃ出来が良いです。

小さい頭部も、爬虫類のような体表も、ワニガメのような甲羅も、それぞれ質感の差別化をしつつ細かく造形されています。




宇宙超獣 トロンガー



顔の凶悪さがやや薄れてしまっている気もしますが、プロポーション・造形ともに高いクオリティ。

手のバランスも完璧です。




恐怖エネルギー魔体 モルヴァイア



やや迫力に欠けますが、造形はとても細かいです。

翼や背骨など、背面の情報量が多い仕上がりになっています。




液体宇宙人 ファビラス星人(A)



悪い方のファビラス星人。

マッシヴな体型にいかつい顔を、よく再現しています。

彩色も文句なし。




液体宇宙人 ファビラス星人(B)



優しい方のファビラス星人。

細い体躯に穏やかな顔つきなど、Aとの差別化をしっかり図っています。

よくよく見ると、めちゃくちゃ出来が良いです。




魔石超人 デビルファビラス



悪い方のファビラス星人が巨大化した姿。

ゴツい体型でファイティングポーズをとっており、造形・塗装ともに高い再現度。

ただ、顔の造形はファビラス星人の方が丁寧だった気がします。




変心宇宙人 チャダビン星人



予想していた以上の完全再現ぶり。

造形はもちろん、塗装も非常に丁寧です。

唯一にして至高のチャダビン星人フィギュア。




地底怪獣モゲドン



こちらも唯一の立体化ではないかと思われるモゲドン。

小さな本物の目や、ニセモノの目、さらによく見ると、手や太ももなど細かいシャドー吹きが施されています。

意外にクオリティが高くて驚きました。




人造ウルトラマン テラノイド



立体化が非常に少ないテラノイドですが、超全集にはもちろんラインナップ。

特徴的な体の模様やプロテクターをモールドで完全再現。

顔の出来も良い具合です。




超合成獣人 ゼルガノイド



テラノイドにスフィアが合体した姿。

悪くはないのですが、造形も塗装もほぼ同サイズのキャラエッグ版が圧勝しています。

立体化がそれほど珍しくないため、これくらいの完成度だとややがっかり。




超合成獣 ネオガイガレード



いまいち頭身が低い気がしますが、鋭い造形に丁寧な塗装は完璧。

細い目も丁寧に塗られています。






以上、ウルトラモンスター超全集 ウルトラマンダイナ 凱風編 でした。

少しでもお楽しみいただけたら幸いです。


今回も、ほとんど文句のつけどころのないアイテムが多かったですね。

ティガの頃は、明らかに造形が変だったり色がおかしいものがちらほら散見されたのですが、力闘と凱風の力の入れ方は従来のものとは全然違います。

もっとも値段が値段なので、ちゃんとやってもらわないと困るわけですが。


これで全てのダイナ怪獣・宇宙人の立体化という偉業を果たしました。

8割近い怪獣が、ここでしか立体化されていないものではないでしょうか?

計り知れないほどの価値がある逸品だと思います。

怪獣の中には、ゾンボーグ兵や等身大トロンガー、「クローン」や「U」と名のつく怪獣はほとんどオミットされてしまいました。

ほかには、バリエーションの豊富だったスフィアが一種類も立体化されないなど、心残りは少しあります。

ただ、一般販売ではないし、そもそも苦しい状況での発売だったので、それくらいは仕方ないですね。

ここまで完走してくれただけでも感激の極みです。




もともとこの商品は、原型の写真だけ公開されてお蔵入りになっていました。

ティガ超全集、ダイナ超全集の売れ行きが芳しくなかったため、ダイナ2弾、3弾の発売が出来なくなったのです。

しかしバンダイの担当者がなんとか無理をとおして誌上販売にこぎつけ、生産数は通常の1/20以下、値段は普通なら6000円切るところを2万5000円という設定でとうとう発売。

それでも、もともと有名なシリーズではなかった上に簡単には出せない値段がたたり、ファンでも買う人は多くなく、オークションに流れるのも1年に2回あれば多い方でした。

お陰で入手には随分と苦労したものです。

なお、力闘編と凱風編はこの値段設定にもかかわらず採算がとれなかったらしく、担当者は上司にお叱りを食らった、という噂が。

私としては、無理やりにでもダイナ完結を果たしてくれた担当者様には頭が上がりません。



これにて、ウルトラモンスター超全集はすべて完結。

ご覧いただきありがとうございました。


ティガ・ダイナのファンなら、持っていて絶対に損は無い素晴らしいシリーズです!

一般発売された4種類は、オークションでよく見かけるし、定価以下で買えます。

力闘編と凱風編はかなり苦労しますが・・・いまから挑戦してみるのも遅くないかも知れませんよ?



それでは!


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